DV(ドメスティック・バイオレンス)とは?被害の種類・相談先まとめ

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コロナ禍において、DV(ドメスティック・バイオレンス)が急増しています。
この記事では、DVとは?もしDVに遭っていたら、知り合いがDVに遭っていたら、相談先などの情報をまとめます。

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは

「DV(ドメスティック・バイオレンス)」とは英語の「domestic violence」をカタカナで表記したものです。略して「DV」と呼ばれることもあります。
「ドメスティック・バイオレンス」の用語については、明確な定義はありませんが、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」という意味で使用されることが多いです。配偶者からの暴力を防止し、被害者の保護等を図ることを目的として制定された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」は、「DV防止法」と呼ばれることもあります。

内閣府男女共同参画局HPより

DVは、被害者の多くが女性です。

男女間における暴力に関する調査(平成29年度調査)
配偶者からの暴力の被害経験(内閣府男女共同参画局HP)

その背景には、「妻は夫に暴力を振るわれても仕方がない」「妻は夫のいうことを聞くのが当然だ」という間違った社会通念があることや、夫婦間の経済格差のような社会構造の問題が大きく関係しています。

どんなDVがあるの?

暴力の形態(内閣府男女共同参画局HP)

身体的DV

殴ったり蹴ったりする行為。刑法第204条の傷害や第208条の暴行に該当する違法な行為であり、たとえそれが配偶者間で行われたとしても処罰の対象になります。

・殴る
・蹴る
・首を締める
・物を投げる
・平手で打つ
・髪を引っ張る Etc…

身体的なものの事例

精神的DV

相手の心を傷つける行為。モラハラと呼ばれることもあります。PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神障害と判定されれば、刑法上の傷害罪に当たります。

・大声で怒鳴る
・人格を否定する
・無視をする
・性別による役割を決めつける
・友人や知り合い
・外部との付き合いを制限する(社会的DVにもあたります)
・外で働くことを制限する
・養っていることを理由に言うことを聞かせようとする Etc…

精神的なものの事例

性的DV

嫌がっているのに性的行為を強要する、中絶を強要する、避妊に協力しないといったもの。
夫婦間の性交であっても、刑法第177条の強制性交等罪に当たる場合があります(夫婦だからといって、暴行・脅迫を用いた性交が許されるわけではありません)。

・避妊に協力しない
・嫌がっている相手に無理やり性行為をする
・嫌がっている相手にポルノなどを見せる
・無理やり中絶させようとする Etc…

性的なものの事例

経済的DV

相手を経済的に困らせる行為。働くことを許さないのにお金を渡さない、お金を使うときに細かく管理するなどがあります。

・生活費が足りていないのに渡さない
・家計を必要以上に厳しく管理する
・家庭の収入について教えない
・配偶者が外で働くことを妨害する
・買い物をさせない Etc…

社会的DV

相手の行動を制限し、社会から孤立させる行為。

・行動を監視する,
・メール電話をチェックする,
・親や友人との付き合いを制限 Etc…

子どもを使ったDV

より悪質なのが、子どもを巻き込んだ暴力です。
また、子どもの前でのDVは「面前DV」といい、児童虐待にもあたります。

・子どもに暴力をふるったり、暴力行為を見せたりする
・配偶者から子どもを取り上げる
・子どもに配偶者の悪口を吹き込んだり、言わせたりする
・子どもに危害を与えると言って脅す

DV(ドメスティック・バイオレンス)と児童虐待

DVによって受ける影響

被害者は、暴力を受け続けることによって様々な影響を受けます。

無気力

長期間にわたり暴力を受け続けることによって、「自分は夫から離れることができない」、「相談してもどうせ解決しない」と思ってしまうことがあります。

暴力を振るわれる自分が悪いという間違った思い込みに囚われる

「ガスライティング」誤った情報を信じ込ませることで、相手を精神的に追い込む心理的虐待のひとつ。つまり、加害者が「暴力を振るうのはお前が悪いことをしているからだ」と言い聞かせ、本当にそのように思わせる虐待です。自分が悪いと思い込んでいるので、相談に至ることができなくなります。

恐怖感

家を出ることによって、「殺されるんじゃないか」「見つかった時にもっとひどい暴力を受けるんじゃないか」という恐怖感が生まれ、逃げることができなくなってしまうことがあります。

経済的な不安

夫の収入で生活しているような専業主婦であったり、働いていてもパートなどの短い時間で収入も少ない場合、子どもの今後のことや生活を考えて逃げることができない場合があります。
(当然ですが、生活費を夫が出しているからと言って暴力を振るってもいい理由にはなりません。)

現在の生活を失ってしまう現実

今の日本のDV防止法だと、被害者が家を出なければいけません。そうなると、働いている職場、子どもの学校、地域のコミュニティーなど多くのものを失います。
逃げるためには覚悟とお金が必要になるため、躊躇することがあります。

DVが被害者に与える影響

被害者は暴力により、ケガなどの身体的な影響を受けるにとどまらず、PTSD(post-traumatic stress disorder:心的外傷後ストレス障害)に陥るなど、精神的な影響を受けることもあります。

DVが子どもに与える影響

暴力を目撃したことによって、子どもに様々な心身の症状が表れることもあります。また、暴力を目撃しながら育った子どもは、自分が育った家庭での人間関係のパターンから、感情表現や問題解決の手段として暴力を用いることを学習することもあります。

DVを受けた時の相談先

DVには、様々な相談窓口があります。
「これってDVかも?」と思ったら、まずは相談をしてみてください。
相談することは全く恥ずかしいことではありませんし、匿名で相談ができます。
相談したことが他の人にバレることもありません。
メールなどで相談する場合、加害者に見つからないような工夫をしておいてください。(メールの通知を切っておくなど)
相談には、電話やメール・最近だとチャット形式の相談もあります。自分に合った相談方法を探してみてください。

相談先

女性に対する暴力の根絶 | 内閣府男女共同参画局
内閣府男女共同参画局のページ。女性の活躍...

警察

暴力を振るわれた時、身の危険を感じた時には警察へ110番を。
また、警察相談専用電話 #9110へあらかじめ相談しておくと、通報をしたときにすぐに駆けつけてくれます。

110番通報しても、すぐに加害者が逮捕されるということはありませんので安心してください。

内閣府 DV相談プラス

電話相談(フリーダイヤル)・メール相談・SNS相談に対応。

  • 専門の相談員が対応
  • 面談、同行支援などの直接支援も実施
  • 安全な居場所も提供
  • 24時間電話対応
  • 10か国語対応

DV相談ナビ #8008

各都道府県の中核的な配偶者暴力相談支援センターにつながります。
お急ぎの相談については、こちらにご連絡ください。

全国の配偶者暴力相談支援センター

配偶者暴力相談支援センターの機能を果たす施設一覧

DVは、今後具体的にどうやって加害者と離れるか?を考えるため、地域の相談センターとつながることが大切です。
このほかにも、自分の住んでいる地域の男女共同参画センターを検索してみてください。

友人や知り合いがDVにあっていたら?

もし友人や知り合いがDVに遭っていたら、上記の相談先を紹介してあげてください。
相談に乗ることは、精神的にとても大変です。
自分も病んでしまう場合がありますので、専門家に繋げがるようにサポートしてあげてください。

また、自分がDVに遭っていることに気がつくことができない人や、長く暴力を受けている影響で「相談してもどうせ解決しない」、または「自分は配偶者がいないと生きていけない」「暴力を振るわれるのは自分に原因がある」と思ってしまい、相談に出向くことができないケースも多々あります。

その時は、「いつでも自分は味方でいる」ということを伝え、相談先だけすぐにわかるように伝えてあげてください。本人が「何かおかしいんじゃないか?」と気がつくことがとても大切になります。
内閣府のサイトなどを見せてあげることも効果的かもしれません。

DVは児童虐待と違い、本人が相談に行かなければ支援に繋がることができません。第三者は、とにかく本人が相談に行く気持ちになるようなサポートをしてあげることが有効です。

同時に、社会全体に「これもDVにあたるんだ」と正しい情報が広がる必要もあります。
日本では、「こんなことは大したことじゃないし、夫婦間だったらよくあることだよね」という思い込みから、実際にDVに遭っていても気がつくことができない人が多いのが現状です。

正しい知識を持っている人がSNSなどで定期的にシェアすることによって、社会通念が変わっていくかもしれません。

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